飲食店の厨房や接客スペースとなるキッチンカーの内装部分。それだけに「どのようにすれば良いのか」と頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。長い時間、車内で調理販売をするので、使い勝手を重視した内装が望ましいです。また、withコロナを意識して衛生面の設備を十分に整えておくことも重要。
この記事では、保健所の許可を得るための設備など、内装を決める上での重要なポイントを紹介します。
目次
- 開業実績多数!無料キッチンカーセミナー開催中
- 基本的なキッチンカー(フードトラック)の内装
- 床
- 壁&天井
- 窓&扉
- 設備&機材
- カウンター(作業台スペース)
- 収納
- 営業許可とキッチンカー(フードトラック)の内装
- 保健所の主なチェック項目
- 車検を考えた内装作り
- 魅せる内装で差別化を
- 商材やスタッフ人数もキッチンカー(フードトラック)の内装を決めるポイント
- 商材や食材でも内装は異なる
- スタッフの人数も内装を決めるポイントに
- 困った時はプロに相談
- 内装を改造しやすいキッチンカー向けの車種
- 軽トラック(スズキキャリーなど)
- 軽バン(エブリィなど)
- 1tトラック(タウンエーストラックなど)
- インスタで見るキッチンカー(フードトラック)の内装例
- 実店舗のあるキッチンカー(フードトラック)
- オープンキッチンスタイル
- 本格的装備のキッチンカー(フードトラック)
- キッチンカー(フードトラック)は内装も大切。オリジナリティを出して差別化を
- キッチンカーに関する主な記事
- 開業実績多数!無料キッチンカーセミナー開催中
- キッチンカーの開業相談
- キッチンカーの出店場所をお探しの方
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基本的なキッチンカー(フードトラック)の内装
キッチンカーの内装といっても「何をどうすればいいのか」「どんなことに注意するべきなのか」悩んでしまいます。長い時間を過ごす場所となるため、快適に働ける空間にしなければなりません。まずは基本的なキッチンカーの内装から、どんな内装にすれば良いかをイメージしてみましょう。
床
作業効率や衛生面を考慮して、足元が滑りにくく掃除しやすい床であることが大切です。日々営業と清掃を考えると取り外して清掃可能なマットなどを敷いても良いでしょう。床面の素材は、調理時に油が飛び散っていることが多々ありますので水洗い可能な耐水性のある素材である必要があります。また、出来る限り溝がなく、段差が少なくフラットな床である方が隅々まで清掃ができ荷物の積み下ろしもスムーズになります。車内で火器取り扱う場合は床には防火・難燃性の素材のものを使用しましょう。
壁&天井
壁と天井の仕様に関して雨・風を防げることはもちろん、営業許可取得の観点からほこり・昆虫などが外部から入ってこない材質・構造が求められます。また調理によっての油汚れなどが付着した時に落としやすい凹凸の少ない表面になっていた方が清掃・衛生面からもおすすめです。壁には窓、棚、換気扇、天井には照明設備などを取り付ける必要がある為、設置できる材質・構造であることも重要です。さらにメニューによっては使用する調理機材が炎や高熱を発するモノもあります。その為に調理機材周りの壁・天井には防炎・防火に優れた材質で加工を別途しておくとより良いでしょう。耐熱性の材質であると表面が溶けたり、黒く焦げたりしてしまいます。
窓&扉
キッチンカーでお客様へ商品の受け渡しなどを直接対面で行う場所が窓や扉になります。お客様が一番注目する場所でお店の顔ともいうべき場所です。この販売面としての窓・扉は、調理風景や車内で調理スタッフの動きなどライブ感やしずる感を演出するにはもっと重要になるので、出来るだけを視覚的に広くお店の演出ができるように工夫したいところです。透明で車内が見えるガラス窓にする場合には割れにくい材質の窓が良いでしょう。移動中など積載物によって割れる恐れがあります。一方で営業許可取得の際には、換気が十分にできてほこり昆虫などの侵入が防げることも重要になってきます。地域によっては網戸が必要になる場合もありますので各保健所の条件をご確認してください。
設備&機材
まずは営業許可取得に必要な設備を確認します。各設備の必要サイズ、規格なども把握してしましょう。次に自身の取り扱う商品に必要な調理機材、食材商品の運搬時の方法、保存状態なども考えます。車載タンクからの水道設備、シンク、冷蔵・冷凍庫、作業台、調理機材など大きく車内固定設置する設備と機材のレイアウトをシミレーションします。さらに車内での作業人数と役割分担など商品を提供するまでの効率の良い流れ作業も考慮してレイアウトや機材を選考していきましょう。細くはレードル・トングなどの置く位置、包材のストック場所、お会計の位置など限られた空間をより効率的に配置してスピード提供ができる体制を整えていきます。1食あたり数秒違うだけで日々の売上にも変わってきます。ちなみに右利き左利きでも配置は変わってきます。
カウンター(作業台スペース)
カウンターは商品の受け渡し、盛り付け、お会計など、最も作業最の多い場所です。よって長時間作業でも足腰になるべく負担がかからない高さにしましょう。様々な作業を行う為、設備や調理機材を固定設置せずにフラットで広く作業スペースを確保しておく方が汎用的に作業ができます。また調理機材や商品陳列ケースなど既製機材を設置する場合には使いやすさも考慮してカウンターの高さ決定しても良いでしょう。車両の種類によってはお客様へ商品を受け渡す場合にどうしても高さがある場合があります。その際にはお客様にお渡ししやすようにお客様様に別途カウンターを設置しても良いかもしれません。
収納
要冷蔵・冷凍で無い食材の収納場所やテイクアウトが基本となるキッチンカーでは、包材(容器)や使い捨てカトラリーの収納場所の確保も重要ですが見落としがちです。1日の営業で車載しなければならない食材や包材の容量や形状なども考慮した上で保管場所のスペースを確保しましょう。また、ホコリなど防ぎ衛生的な扉がある方が良いですし、移動中の荷崩れの防止にもなります。ただし重量のある食材等は収納場所が高い位置にしてしまうと出し入れが大変ですし、車両の重量バランスにも影響を及ぼす場合がありますので容量だけではなく重量も考慮しましょう。
営業許可とキッチンカー(フードトラック)の内装
食品販売をする場合には、保健所での営業許可が必須です。内装に関するチェック項目などは各都道府県によって異なるなため、営業を考えている地域の保健所で確認しておくと、完成後に修正するなどのトラブルを防ぐことができます。
保健所の主なチェック項目
運転席部分と調理販売スペースが完全に仕切られている・給水・排水タンクの容量・シンクの数・販売開口部分のサッシの有無・収納ケースの有無・換気扇の有無・床や壁などの材質 などその他にも、手洗い用と洗浄用のシンクが2か所必要だったり、アルコールスプレーや手洗い石鹸、冷蔵庫や冷凍庫の設置など、営業する地域の保健所によって違いがあります。
車検を考えた内装作り
キッチンカーの場合、陸運局にトラックか加工車のどちらで登録しているかで車検の通し方が違います。加工車(キッチンカー)として登録されている場合はそのまま車検に通すことができますが、トラックとして登録している場合は荷台を空っぽにする必要があります。
魅せる内装で差別化を
保健所のチェック項目をクリアできる内装が完成したら、照明などを使って装飾するとお店の雰囲気や個性をアピールできます。他のお店との差別化を図るためにも、内装は大切なポイント。調理している姿を見せたり、接客スペースにサンプルや個性的なメニューを置いたりするための魅せる内装と、作業のしやすさや効率などの利便性を兼ね備えた内装を考えましょう。
商材やスタッフ人数もキッチンカー(フードトラック)の内装を決めるポイント
扱う商材や食品、スタッフ人数によっても必要設備やスペースの取り方が違うため、何を売るか、何人で作業するのかも大切なポイントになります。
商材や食材でも内装は異なる
開業する商材や食品によっては必要な設備やレイアウトが異なるため、限られたスペースを有効に活用でき快適な空間となるように考える必要があります。どんな商材や食品を扱うのかを決めてから内装を考えると失敗しにくくなるでしょう。キッチンカーの魅力は、その場で調理した出来たてアツアツの料理をテイクアウトできることです。そのため、調理用の機材や調理スペース、食材を保管するための冷蔵庫が必要です。限られたスペース内でも、取り出しやすく動きの邪魔にならないようにしましょう。また、火器を使用するため、換気や車内の温度が上がりすぎないよう、換気扇の設置場所も考慮する必要があります。
スタッフの人数も内装を決めるポイントに
調理から接客までを1人でこなすのか、接客だけでもスタッフが必要なのかなど、働く人数によってもスペースの確保を考えなければなりません。限られたスペースの中で働きやすさや安全性を考慮した内装が必要です。
困った時はプロに相談
内装が決まらないなど、どうしようか迷ったときはプロの制作会社に相談するのも一つの方法です。イメージやコンセプトを基に内装を依頼するほか、自作できない部分を依頼するなど方法はさまざまです。製作会社によっては保健所の許可申請までお願いできることも。株式会社MellowのSHOP STOPでは、内装の相談だけでなく、お店のプランニングから申請などの事務手続き、出店場所の選定と、初めての出店でも安心して準備できるようサポートをしてくれます。
内装を改造しやすいキッチンカー向けの車種
作りたい内装のデザインにもよりますが、改造作業がしやすい車種を選ぶと、内装工事の期間が短縮できる場合も。ここでは、キッチンカーとして人気がある車種の中から、特に内装を改造しやすいものを紹介します。
軽トラック(スズキキャリーなど)
軽トラックは、キッチンカー向けの車体として圧倒的人気を誇っています。内装工事は、荷室をキッチンに改装することになるので費用は掛かりますが、天井までの高さが十分にとれるので立ったまま調理販売ができます。長時間勤務することを考えると、足腰に負担をかける座ったままでの調理販売よりも、立って調理のできる軽トラックタイプがおすすめです。自動車税など維持費が抑えられるメリットもあるので、その分改造に費用をかけることができるかもしれません。
軽バン(エブリィなど)
可愛らしいラッピングデザインで個性を出しやすい軽バンも、キッチンカーとして人気の高い車種です。車内のスペースがかなりコンパクトなので、立った状態での調理販売は難しくなります。ただし、スペースが限られている分、内装のための改造費用が抑えられるメリットもあります。人気の車種なので、キッチンカーの状態に改造された中古車も多いでしょう。
1tトラック(タウンエーストラックなど)
1tトラックは、荷台にキッチンを搭載するだけで内装工事が終了できるほどスペースに余裕がある点が魅力。もちろん立った状態で調理販売ができ、キッチンスペースに2、3人立てるので、メニューを増やすことも可能です。ただし、車体が大きく車内スペースも広いので、それだけ内装工事の費用も掛かります。予算との兼ね合いを確認することが大切です。
インスタで見るキッチンカー(フードトラック)の内装例
内装に悩んだら、インスタグラムに投稿される人気のキッチンカーからヒントを得ることも。ここではそんなキッチンカーの内容事例を紹介。ピンとくるものがあれば、自分らしくアレンジしてみてはいかがでしょうか。
実店舗のあるキッチンカー(フードトラック)
軽トラを利用したキッチンカーで、接客スペースは小さ目ですが脚立を使ってメニューやお店の紹介をしています。カウンターにはお店のSNSやブログの紹介をし、待っている時間に手を伸ばしやすい工夫がされています。
オープンキッチンスタイル
接客部分がオープンになっているので、調理の様子や内装をすべて見通すことができるキッチンカー。まるで固定店舗のように統一された装飾がポイントです。省スペースでも開放感があり、待っている間にパフォーマンスが楽しめるのも魅力の一つ。
本格的装備のキッチンカー(フードトラック)
ピザ用の薪窯が設置されているキッチンカー。設備によっては、手軽に本格的な料理をテイクアウトできるのもこの事業の魅力です。限られたスペースでも、工夫次第でお店のような本格的な装備を揃えることができます。
キッチンカー(フードトラック)は内装も大切。オリジナリティを出して差別化を
キッチンカーの内装は、いかに効率よく作業できる場所として機能させるかが大切です。衛生面や作業効率、体に負担のかからない内装であることが、キッチンカーを長く続けるために必要といえるでしょう。同時にお客さんの目を引きつけるというアイテムとしても重要な役割を果たします。また、コロナ禍の影響を受けている今、衛生面に対する意識も強く持たなければなりません。自分の目指すコンセプトやイメージを大切に、利便性を高めた内装で作業効率をアップし他店との差別化を図れるキッチンカーを目指しましょう。